酵素ってなに?

酵素って言葉がダイエットや美容なんやと結びつけて騒がれるようになったのはいつなんだろう。

栄養学を学んだものとして、それが不思議で、意味わからなかった。
酵素とダイエット?んー、意味わからん!笑

もうだいぶ落ち着いてきているのかもなあーとも思うけど、
一度、どわっと注目を浴びた情報って、正しかろうか、正しくなかろうが、一人歩きするもの。

「酵素 ダイエット」てな具合に検索すればいろんな情報があふれている。本当にこわい。

そんなわけで、ちょっと酵素のお話でも。

「酵素=生命活動に必要なもの」

範囲ひろ!!!!
そう、酵素ってすんごい範囲広いんです。
食事の消化や吸収、だけでなく、見る、聞く、歩くっていう動作にも酵素は関わっています。

体の中は化学反応がいっぱいいっぱい起こっている。
(見るって動作も、聞くって動作も、化学反応)
その時に、酵素は働くのです。

酵素の種類は数万種類以上もあると言われています。
酵素は、ひとつの動きに対してひとつの酵素、みたいな感じで、万能じゃないので、いっぱい種類があるというわけ。
おうちの鍵穴と同じ数だけ鍵があるって感じ、、、世界のおうちの鍵の数って何個なんだろう、、、(おっと話がそれた)

その中で大きくふたつのグループに分けると
「消化酵素」
「代謝酵素」
ってのに、分けられます。

◎消化酵素は、なんとなくイメージしやすいのでは、と思います。

食べ物の形のままでは、栄養は吸収できないので、口の中にはいったら、こまかーくなっていきます。

だ液には、炭水化物(ご飯、いも、小麦粉など)を消化する酵素が含まれている。
胃液には、たんぱく質(肉、魚、卵、など)を消化する酵素が含まれている。

みたいなかんじで、役割分担をして、食べ物をこまかーくしていく。

少しややこしいのが、野菜や果物に含まれる消化酵素。
パイナップルとお肉を一緒に料理すると、お肉がやわらかくなるというのは、パイナップルに含まれる消化酵素が、お肉のたんぱく質を分解するから。

パイナップルをいっぱい食べたら、人の体の中で起こる消化を助けることができるのか?って思いますが、
野菜や果物の消化酵素が人間の体の中に入った後、どうような動きをするのかはまだ定かではないようです。

消化酵素の含まれた野菜を食べると、代謝酵素の節約になるという話も聞かれますが、そのような研究データはありません!

◎代謝酵素ってなんやねんってことですが、

例えば、、、、脂肪!脂肪は燃やして、エネルギーにしたい!って思う。
どうすれば、エネルギーになるのかっていうと、TCAサイクルっていう、エネルギー生産工場みたいなところに送られて作られるのです。

その工場では、もともと脂肪だったものが、いろんな形に変化させられていきます。
その変化が起こることでエネルギーになるのです。

で、その変化を起こすためには、酵素が必要!!なのです。

脂肪をエネルギーに変える。糖質をエネルギーに変える。たんぱく質をエネルギーに変える。=「代謝」
代謝に必要な酵素=それが「代謝酵素」というわけです。

この代謝酵素たちは、体で作られるので、口から摂取することはできません。
食べ物から摂取することはできません。
(これ大切)

なので、酵素は食べ物でチャージできません。

ただ!注意したいことがひとつ!!
体で作られる酵素たち、実は、自分だけでは動けなくて、「補酵素」の助けが必要なんです。

この補酵素の役割を果たしているのが、ビタミン、ミネラル!!
緑や黄色のお野菜にいっぱい含まれる栄養素ですよねー!

野菜ジュースを酵素ジュース!とうたっていたりしているものもありますが、あれは、「補酵素ジュース」じゃないのかなーと思います。
酵素をどうこうしようなんていうのは、到底無理な話、というわけです。

そういえば、酵母と字が似ているので、発酵食品と酵素をくっつけた内容も見かけたりしますが、発酵食品を食べる=酵素を食べる、ではないです。
酵素うんぬんではなくて、発酵食品は、とーーーっても体にいいんですよ!(またこの話は別の機会に)

酵素から食事を考えたとしたら、ポイントはふたつくらい、、、

ひとつは、酵素をどうこうしよう、ではなくて、酵素の動きを助ける補酵素であるビタミンミネラルをしっかりとろう!
(代謝酵素がしっかり動いてくれたら、代謝があがってやせるかもしれません)

もうひとつは、酵素を作り出すのは、体!体を健康にして、生命活動を円滑にまわそう!
っていう壮大な話になるわけですが、これが、なにより大切なのではないでしょうか。

栄養学も、常に研究が進められて、新たにわかったこと、間違いがあったこと、、、流動的なもの。
今話していることも、時代とともに古くなるかもしれません。

正しいであろう情報、正しい方向にいくであろう情報を、栄養学に関しては栄養士たちが発信してくべきなのかな、と思ったりしています。

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